SMC PENTAX A* 1:1.4 85mmは、銀塩フィルム用写真レンズとして、Aシリーズレンズ時代のPENTAXを代表する名玉の1本である。ポートレートには秀逸な像を示す 優秀なレンズであり、中古でも非常に人気があるレンズであった。最近は出物も少ない傾向がある。 このレンズの特許は恐らく旭光学工業の小川良太氏設計の特公昭61-28974(1982年出願)=特許1366622の実施例1と推定される。 本特許の参考文献は4例が記載されている。1)特開昭49-5620(オリンパス)、2)実公昭47-24417(ライカ)、3)特公昭44-15515(Canon)、4)US3519333(PENTAX)=特公昭45-39873が出ている。本特許はこれらの改良特許と推定される。このデータを使ってOpTalixLTで計算した結果を示します。
本レンズは、++-|(-+)++の6群7枚構成の変形ガウス型中望遠レンズである。第4群の貼り合わせレンズの合成焦点距離は正となっていることから変形ガウス型に見えるが++-|(+)++となり、ゾナー型とも言えなくもない。
このレンズは第1群から第5群までを前群として繰り出すようにしてピントを合わせる方式になっている。これは旭光学工業ではFREEシステムと当時称していた。
レンズ構成図はこんな感じになります。最短撮影時は焦点距離が長くなるように動作する。
FREEシステムの構造を反映したデータに変更しました。また、実施例が旧情報では実施例2としていましたが、ガラス種の少なさと実物を見て反射光形状から推定して実施例2ではない可能性が高くなったので、コストから鑑み実施例1としました。(修正2023.10.26)
所有の個体です。