HEXANON 50mmF2.8の特許について
旭光学工業がアサヒフレックスのM37マウントのレンズからアサヒペンタックスのM42マウントへ移行する黎明期になると、光学設計の社内の技術の低さがあり、一眼レフのレンズ開発にはレンズ設計技術者の獲得が必要であった。そのため、役員待遇で小西六写真工業の光学設計技術者であった風巻友一氏が招聘された。当時風巻氏の小西六時代の特許を見つけたので、その当時のテッサータイプのレンズのデータを入れてみた。例によってf=100mmの設計値を50mmF2.8で計算させた。当時この設計のレンズはKonica IIIに搭載されたものの1つのようである。このカメラは48mmF2とかいろいろなバリエーションがあるからだ。特許は特公昭27-3023(1951年出願)の特許で発明者も出願人も風巻友一氏であり、当時の小西六写真工業ではないのである。このレンズは、HEXANON 50mmF2.8は3群5枚構成のレンズで、当時のいわゆる普及型カメラでよく見られる3枚玉の発展型である構成となっていて、第1群が(+-)の貼り合わせレンズ、第2群が両凹レンズ、第3群が(-+)の貼り合わせレンズで構成されている。トリプレット型3枚玉の第1群と第3群を貼り合わせレンズにした形式である。