SMC PENTAX 645 A 150mm F3.5の特許データについて
本レンズはペンタックス645初代の645Aシリーズレンズのラインナップの内の中望遠レンズの1本で、設計は旭光学工業(当時)の河村憲明氏の特開昭58-196516(出願1982年)の実施例2と推定される。本特許は中判用の高性能望遠レンズの設計として出願されたものである。本レンズは特許冒頭に、エルノスタータイプという記載がある4群4枚構成の望遠レンズとなっている。(実は実施例2で紹介しているが実施例1の可能性も捨てきれていないことを予め記しておく)
第1レンズはメニスカス凸レンズ、第2レンズはメニスカス凸レンズ、第3レンズはメニスカス凹レンズからなり、絞りを介して第4レンズはメニスカス凸レンズから構成される4群4枚構成の望遠レンズである。ガラス種は4種が使われている。パワー配置は++-|+となっている。望遠比はフランジバック長が長いため0.94と大きくなってしまうのは仕方ない。
幾何光学的MTFの本数の少ない方の図(上の方のMTF)を見ると当時の中判カメラのものとしては高性能なMTFとなっていて、高性能レンズを売りとしていたペンタックス645シリーズの片鱗がうかがえるレンズである。本レンズはそれほど売れなかったのか、意外と中古市場でも本数が多いとは言えないレンズである。筆者も実はまだ所有していないので、作例はありません。