ペンタックスレンズ研究会

ペンタックスレンズ他光学特性データを示します。

(107) SMC PENTAX-FA★ 300mm F2.8 ED[IF]の特許データについて


SMC PENTAX-FA★ 300mm F2.8 ED[IF]の特許データについて

このレンズはFAシリーズの高級レンズシリーズの特徴的なデザインである銀鏡筒のスターレンズの内の1本である。本レンズは旭光学工業の丸山晃一氏設計の特開平6-138385(1992年出願)の実施例1と推定される。

SMC PENTAX-FA★ 300mm F2.8 ED[IF]のレンズ構成図

本レンズは4つのレンズ群と1つのフィルタ群で構成される7群10枚構成の大口径望遠レンズである。第1レンズ群は第1レンズとしてEDガラスを使用した両凸レンズ、第2レンズとしてEDガラスを使用したメニスカス凸レンズ、第3レンズとして両凹レンズの3枚から第1レンズ群が構成される。次に、第2レンズ群として、第4レンズのメニスカス凹レンズと第5レンズの平凸レンズから第4群の正のパワーを持つ貼り合わせレンズが構成され、ここまでが第2レンズ群である。ここまでがいわゆる前群を構成し、絞りを介して、第6レンズ以降が後群となる。後群の最初が第3レンズ群であり、第5群として第6レンズはメニスカス凸レンズ(像面側に凸)と第7レンズは両凹レンズからなる第5群の負のパワーを持つ貼り合わせレンズが第3レンズ群を形成し、このレンズが前後に移動してピント調整を行う機構であるいわゆるインナーフォーカス方式レンズとして動作する。

SMC PENTAX-FA★ 300mm F2.8 ED[IF]のIFの動き

第4レンズ群は、第8レンズが両凸レンズで第9レンズが両凹レンズからなり、第6群の正のパワーを持つ貼り合わせレンズを形成している。最後はフィルタボックスに取り付ける43mmのフィルタ群からなる。本レンズのパワー配置は、++-(-+)|(-+)(+-)0さらに貼り合わせ部分を書き換えると++-(+)|(-)(+)0となっている。本レンズはフィルタボックスにフィルタを入れた設計となっているため、レンズ構成枚数表記にはこのフィルタが含まれている。前面のフィルタ径は112mmである。望遠比は0.95である。

SMC PENTAX-FA★ 300mm F2.8 ED[IF]のレンズの収差図(縦)

 

SMC PENTAX-FA★ 300mm F2.8 ED[IF]のレンズの収差図(横)

SMC PENTAX-FA★ 300mm F2.8 ED[IF]のレンズの非点収差図

SMC PENTAX-FA★ 300mm F2.8 ED[IF]のレンズのLateral Color(倍率色収差

SMC PENTAX-FA★ 300mm F2.8 ED[IF]のレンズの2nd.Spectra(波長によるピント移動)

SMC PENTAX-FA★ 300mm F2.8 ED[IF]のレンズのスポットダイヤグラム(動画)

SMC PENTAX-FA★ 300mm F2.8 ED[IF]のレンズの波長毎のスポットダイヤグラム

SMC PENTAX-FA★ 300mm F2.8 ED[IF]のレンズの波長毎のスポット径の像高変化

SMC PENTAX-FA★ 300mm F2.8 ED[IF]のレンズの幾何光学的MTF(7.5/15/30LPM)

SMC PENTAX-FA★ 300mm F2.8 ED[IF]のレンズの幾何光学的MTF(10/20/40LPM)

(修正)特許の最短撮影距離が1.5m相当でしたので、実際の製品は2mであることから2mのデータ推定値に変更しました。