SMC PENTAX FA645 1:4 200mmの特許について
このレンズはPENTAX 645シリーズ用オートフォーカス望遠レンズの内の1本で、ペンタックス(当時)の泉水隆之氏(ニコンに転職)の設計である特開2000-2275446=日本特許第3505099号(出願1999年)の実施例2と推定される。本特許には実施例が7例あるが、製品に近いものはEDガラスを使われていないことから、実施例1か実施例2の2つのどちらかということになる。市販ガラスが設計値にあるものだけで構成されているものということから恐らく実施例2が該当すると判断いたしました。本レンズは5群6枚構成の望遠レンズである。望遠比は0.97である。645ではフランジバック長が長いシステムのため、望遠比はあまり小さい値にはなっていない。
本レンズ構成は第1レンズがメニスカス凸レンズ、第2レンズもメニスカス凸レンズ、第3レンズは凹レンズ、第4レンズが凸レンズと第5レンズの凹レンズを貼り合わせて第4群を成し、ここまでで前群となっている。絞りを介して第6レンズの凸レンズからなり、5群6枚構成の望遠レンズである。パワー配置を書くと、++-(+-)|+となっている。第4群の貼り合わせレンズのパワーは-となっている。このレンズのスペックは200mmF4であるが、設計値は195.6mmF4.1となっている。本特許にはEDレンズの実施例が多数掲載されているが、実際に発売された製品版は通常のガラスが使われている。このレンズもオハラガラス、HOYAガラスおよび光ガラスが使われていると推測されている。蛇足ですが、現在オハラはCANONグループ会社で、光ガラスはニコングループの会社になっている。