SMC PENTAX FA★シリーズについて
PENTAXのオートフォーカスの第2世代レンズシリーズであるFAシリーズには高級レンズとしての★スターレンズが存在している。これらのスターレンズはエンジニアリングプラスチックに銀塗装が施されている鏡筒デザインで非常に目立つレンズであった。FA★レンズを列記すると、①FA★24mmF2AL(1991)、②FA★28-70mm F2.8(1994)、③FA★ 80-200mm F2.8(1994)、④FA★ 85mm F1.4(1992)、⑤FA★ 200mm F2.8(1993)、⑥FA★ 200mm F4 Macro(2000)、⑦FA★ 250-600mm F5.6(1991)、⑧FA★ 300mm F2.8(1994)、⑨FA★ 300mm F4.5(1991)、⑩FA★ 400mm F5.6(1997)、⑪FA★ 600mm F4(1991)の11本である。()内は発売年であるが、最初は1991年に登場し、2000年までの間にこれだけのラインナップとなったものである。現在のペンタックスのラインナップと比べると時代を感じます。今までこの中で紹介できたのは、①と⑨だけかと思う。
それではこの中の一番有名なレンズである④FA★ 85mm F1.4(1992)を100本目の区切りのレンズとして今回紹介する。すでに旧ホームページ掲載していたのであるが、データを加えて今回改めてご紹介します。
SMC PENTAX FA★1:1.4 85mm[IF]の特許について
このレンズの特許は、旭光学工業(当時)の平川 純氏による日本登録特許第2915985号=特開平2-200909(1989年出願)=US5172274Aである。この特許にはF1.8、F1.7、F1.4の中望遠レンズの実施例が6例記載されていて、その内F1.4のレンズは実施例4、5、6である。この内実施例5がカタログ記載の情報からこのレンズの特許と推定されます。本レンズは1992年に発売され、2005年7月になって製造中止になったとのこと。理由は電気部品が調達不能になったこと ということである。電気部品がある製品はこれがあるから怖いのである。これから 大事に使っていきたいレンズである。私は1992に新品購入し、現在も使っているお気に入りのレンズです。当時はポートレート撮影によく使っていたが、最近はポートレート撮影していないので、出番は少なくなってしまった。
レンズ構成は、++-+|-(-+)+のパワー配置となっている。第1レンズと第2レンズは同じガラスの高屈折率ガラスを使用したメニスカス凸レンズが使われ、第3レンズは負のメニスカスレンズからなり、第4レンズはメニスカス凸レンズを介して、絞り、後群は第5レンズの凹レンズ、第6レンズと第7レンズは貼り合わせのレンズとなり、第8レンズは凸レンズからなる7群8枚構成となっている。本レンズ大きな特徴は、第4レンズから第8レンズを駆動してピント調整を行う機構となっていて、A★85mmF1.4のfreeシステムとはことなるIF方式となっている。
平川氏はカメラ誌にも時々御本人が出られていましたので,知って いる方も多いと思います。このレンズは氏の傑作レンズの内の1本として一部の ユーザーでは絶対的な支持のある有名なレンズとなっていた。この光学系が如何 に素晴らしいものかを物語る事実として,本レンズの特許を参考にして改良した 設計を行ったと明確に特許に書いてある例がある。それは,ニコンAF-Nikkor85/ 1.4Dの特許で,この光学系の改良版を出したということで,こ のレンズの優秀さを物語っていると言えよう。
開放から解像度どちらかというと質感とか階調重視の設計で全撮影距離で良好な像を示す設計がフィルム時代の当時として優秀な設計がなされている。IF方式の欠点であったボケの汚さを解消した画期的な設計レンズで,優秀な中望遠レンズです。開放から1.5段絞り込んだ当たりは非常においしい描写を示し, 開放から高解像度である。ポートレートには自然な発色と奇麗なボケを活かした作画が可能で凄いレンズです。