ペンタックスレンズ研究会

ペンタックスレンズ他光学特性データを示します。

(25)Super Takumar 1:3.5/28の特許データより

Super Takumar 1:3.5/28の特許データより

本レンズは特許出願公告昭45-1587(出願1966年公告1970年)の小型レトロフォーカスレンズの特許であると推定される。設計は旭光学工業の風巻友一氏である。

本特許のレンズは基本構成は変更無しで、コーティングがマルチコーティングになったSuper-Multi-Coated TAKUMAR 1:3.5/28も同じと推定される。

Super Takumar 1:3.5/28のレンズ構成図

この頃のレトロフォーカス式広角レンズは、メインレンズの前に全体で負のパワーを持つレンズ群を配置したレンズ構成となっているが、当時の設計レトロフォーカス式広角レンズは、凸レンズ(+)が来てから凹レンズ(ー)の組わ合わせで、全体として負のパワーを持つレンズ構成となっている。事実このレンズでは第1レンズと第2レンズがその役割を担っている。このレンズもそういう構成となっていて、第1レンズが口径の大きな曲率が緩い両凸レンズ’(+)、第2レンズが曲率が大きなメニスカス凹レンズ(-)になっている。ここまでがフロントの負のパワーを持つレンズ群となる(合成焦点距離およそ-60mm)。これ以降がマスターレンズ群になり、第3レンズが光路長の長い反対向きのメニスカスレンズ凸レンズ(+)になっている。第4レンズは凸レンズ(+)になり、絞りを介して後群の残り3枚のレンズが来る。第5は両凹レンズ(-)でこのレンズは本レンズの要の役割を担っているレンズであり、第6レンズのメニスカス凸レンズ(+)、第7レンズはメニスカス凸レンズ(+)と構成されている(合成焦点距離はおよそ+27mm)。バックフォーカス長は37.726mmである。

Super Takumar 1:3.5/28の収差図(縦)

Super Takumar 1:3.5/28の収差図(横)

Super Takumar 1:3.5/28の非点収差図

Super Takumar 1:3.5/28のLateral Color(倍率色収差図)

Super Takumar 1:3.5/28の2nd. Spectra

Super Takumar 1:3.5/28のスポットダイヤグラム

Super Takumar 1:3.5/28のスポットダイヤグラムの波長依存性

Super Takumar 1:3.5/28のスポット径の波長依存性

Super Takumar 1:3.5/28の幾何光学的MTF(7.5/15/30LPM)

Super Takumar 1:3.5/28の幾何光学的MTF(10/20/40LPM)

本レンズの特許には先行技術として日本光学の脇本善司氏の特許である特公昭38-26133が記載されている。この脇本氏の特許を見るとAngeniux氏のUS2696758の6群6枚構成のレトロフォーカスレンズの基本構成のレンズの特許に行き着くものである。
本レンズは先行2文献での欠点を改善するために、7群7枚構成となり、スポットダイヤグラムMTFを見るとかなり改善したことがわかる。(51)と(52)を参照してください。

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