ペンタックスレンズ研究会

ペンタックスレンズ他光学特性データを示します。

(13)旭光学工業Auto-Takumar 1:1.8 f=85mmの特許データ

Auto-Takumar 1:1.8 f=85mmの特許より

このレンズはM42になってからいうと83mmから85mmとなった初めての中望遠レンズになる。発売は1960年で、4群5枚構成の中望遠レンズである。特許は特公昭30-9466(出願1953年公開1955年)の出願人および発明者共に風巻友一氏によるものである。権利者が会社ではなく発明者になっている。最近改めてわかったのですが、風巻氏がまだ小西六にいた時代の特許は氏個人が出願人になっていることがわかった。この辺のことはどうしてそうなっているかは今となっては謎のままで不明である。さて、この特許はF1.4の明るさまで使えることを謳っている。実際には収差の外周部での悪化があるので、F1.8に抑えて製品にしていると考えられる。ちなみに、同じ構成のものはSupet-TAKUMAR 1:1.9/85mm. Super-Multi-Coated TAKUMAR 1:1.9/85mmおよびTakumar 1:2.8/105mm(Model II), Super-Takumar 1:2.8/105mm, Super-Multi-Coated TAKUMAR 1:2.8/105mmも恐らくガラスの変更に伴う微修正および105mmではスケール調整されたものと推定され、基本的には同じ設計ではないかと推定されます。

Auto-Takumar 1:1.8 f=85mmのレンズ構成図

本レンズはこのレンズ構成図に示したようにすべて旧ガラスで構成された4群5枚構成の中望遠レンズである。レンズパワー構成は物点側から順番に++-|(+)となっている。

Auto-Takumar 1:1.8/f=85mmレンズの収差図(縦)

Auto-Takumar 1:1.8/f=85mmレンズの収差図(横)

Auto-Takumar 1:1.8/f=85mmレンズの非点収差図

Auto-Takumar 1:1.8/f=85mmレンズの倍率収差図(Lateral Color)

Auto-Takumar 1:1.8/f=85mmレンズの2nd. Spectra(波長によるピント位置移動)

Auto-Takumar 1:1.8/f=85mmのスポットダイヤグラム

 

Auto-Takumar 1:1.8/f=85mmの波長毎のスポットダイヤグラム

Auto-Takumar 1:1.8/f=85mmの波長毎のスポット径の像高による違い

Auto-Takumar 1:1.8/f=85mmの幾何光学的MTF図(7.5/15/30LPM)

Auto-Takumar 1:1.8/f=85mmの幾何光学的MTF図(10/20/40LPM)

(2023.12.20修正版)