Auto-Takumar 1:1.8 f=85mmの特許より
このレンズはM42になってからいうと83mmから85mmとなった初めての中望遠レンズになる。発売は1960年で、4群5枚構成の中望遠レンズである。特許は特公昭30-9466(出願1953年公開1955年)の出願人および発明者共に風巻友一氏によるものである。権利者が会社ではなく発明者になっている。最近改めてわかったのですが、風巻氏がまだ小西六にいた時代の特許は氏個人が出願人になっていることがわかった。この辺のことはどうしてそうなっているかは今となっては謎のままで不明である。さて、この特許はF1.4の明るさまで使えることを謳っている。実際には収差の外周部での悪化があるので、F1.8に抑えて製品にしていると考えられる。ちなみに、同じ構成のものはSupet-TAKUMAR 1:1.9/85mm. Super-Multi-Coated TAKUMAR 1:1.9/85mmおよびTakumar 1:2.8/105mm(Model II), Super-Takumar 1:2.8/105mm, Super-Multi-Coated TAKUMAR 1:2.8/105mmも恐らくガラスの変更に伴う微修正および105mmではスケール調整されたものと推定され、基本的には同じ設計ではないかと推定されます。
本レンズはこのレンズ構成図に示したようにすべて旧ガラスで構成された4群5枚構成の中望遠レンズである。レンズパワー構成は物点側から順番に++-|(+)となっている。
(2023.12.20修正版)