ペンタックスレンズ研究会

ペンタックスレンズ他光学特性データを示します。

(113)Leizt TELE-ELMAR 1:4/f=135mmの特許について

Leizt TELE-ELMAR 1:4/f=135mmの特許について

 

本レンズはOtto Zimmermann設計のDE1183707B(1960年出願)の3群5枚のライカMマウントの望遠レンズである。

Leizt TELE-ELMAR 1:4/f=135mmのレンズ構成図

Leizt TELE-ELMAR 1:4/f=135mmの収差図(縦)

Leizt TELE-ELMAR 1:4/f=135mmの収差図(横)

Leizt TELE-ELMAR 1:4/f=135mmの非点収差図

Leizt TELE-ELMAR 1:4/f=135mmの倍率色収差図(Lateral Color)

Leizt TELE-ELMAR 1:4/f=135mmの2nd. Spectra

Leizt TELE-ELMAR 1:4/f=135mmのスポットダイヤグラム

Leizt TELE-ELMAR 1:4/f=135mmの波長毎のスポットダイヤグラム

Leizt TELE-ELMAR 1:4/f=135mmの幾何光学的MTF(7.5/15/30LPM)

Leizt TELE-ELMAR 1:4/f=135mmの幾何光学的MTF(10/20/40LPM)

このレンズは1960年設計のオールドレンズではあるが、残存色収差は望遠レンズであるため残っているが、MTFの評価が恐らく設計段階では考慮していないと思われるが、当時の設計としては高性能である。Y48フィルターとオルソタイプのモノクロフィルムで撮影すると高解像な絵を叩き出すのではないだろうか。

(112)Leitz Summar f=5cm 1:2の特許データについて

Leitz Summar f=5cm 1:2の特許データについて


このレンズは、第2次世界大戦前の1933年発売のライカLマウント標準レンズである。特許はFR769348A(出願1934年)=DE769348XA(実用新案に該当1933-03-09出願)である。ドイツの特許番号はXがあるので、日本で言う実用新案である。

Leitz Summar f=5cm 1:2のレンズ構成図

第1レンズはメニスカス凸レンズ、第2レンズのメニスカス凸レンズと第3レンズのメニスカス凹レンズが貼り合わせられて第2群を形成している。絞りを介して、後群は第4レンズのメニスカス凹レンズと第5レンズの両凸レンズが貼り合わされて第3群を形成し、第6レンズはメニスカス凸レンズからなり、4群6枚構成の標準レンズである。パワー配置は+(+-)|(-+)+のガウス型である。ガラス種は色で示したように3種で構成される。第1・2・5・6レンズのガラスはライカのオリジナルガラスのようで、該当の屈折率とアッベ数のものが現在のガラス種にないもののようである。

このレンズ構成図は特許の図と各レンズ径が少し異なっていて、雑誌等に記載しているSummar f=5cm 1:2の構成図に似せた大きさにしている。現物と異なることを予めご承知おきください。焦点距離はf=51.6mmにしています。

Summar f=5cm 1:2の収差図(縦)

Summar f=5cm 1:2の収差図(横)

Summar f=5cm 1:2の非点収差図

Summar f=5cm 1:2のLateral Color(倍率色収差

Summar f=5cm 1:2の2nd. Spectra(焦点面の波長依存性)

Summar f=5cm 1:2のスポットダイヤグラム

Summar f=5cm 1:2の波長毎のスポットダイヤグラム

Summar f=5cm 1:2の波長毎のスポット径の像高変化

Summar f=5cm 1:2の幾何光学的MTF(7.5/15/30LPM)

Summar f=5cm 1:2の幾何光学的MTF(10/20/40LPM)

今から90年も前のクラシックレンズなので、数値データは今見るとよくないのはいうまでもない。

(111)SMC PENTAX-A645 MACRO 1:4 120mmの特許について

SMC PENTAX-A645 MACRO 1:4 120mmの特許について

本レンズはPENTAX 645シリーズの最初のマクロレンズであるSMC PENTAX-A645 MACRO 1:4 120mmの特許は、旭光学工業の伊藤孝之氏設計の特公昭61-238010(1985年出願)の実施例2と推定される。

SMC PENTAX-A645 MACRO 1:4 120mmレンズ構成図

第1レンズはメニスカス凸レンズ、第2レンズはメニスカス凸レンズと第3レンズはメニスカス凹レンズを貼り合わせて第2群をなし、第4レンズはメニスカス凸レンズ、第5レンズはメニスカス凹レンズと第6レンズはメニスカス凸レンズを貼り合わせて第4群をなし、ここまでで前群を形成している。絞りを介して、第7レンズ凹レンズと第8レンズのメニスカス凹レンズとなり、この第7レンズと第8レンズがピント調整機能を有するいわゆるフリーシステムとなる部分である。その後第9レンズのメニスカス凸レンズからなる7群9枚構成のマクロレンズとなっている。

SMC PENTAX-A645 MACRO 1:4 120mmのレンズの動き

フリーシステムの動作はこのようになっている。図の下が無限大時である。上が最短撮影時である。

SMC PENTAX-A645 MACRO 1:4 120mmの収差図(縦)

SMC PENTAX-A645 MACRO 1:4 120mmの収差図(横)

SMC PENTAX-A645 MACRO 1:4 120mmの非点収差図

SMC PENTAX-A645 MACRO 1:4 120mmのLateral Color(倍率の色収差)

SMC PENTAX-A645 MACRO 1:4 120mmの2nd.Spectra

SMC PENTAX-A645 MACRO 1:4 120mmのスポットダイヤグラム

SMC PENTAX-A645 MACRO 1:4 120mmの波長毎のスポットダイヤグラム

SMC PENTAX-A645 MACRO 1:4 120mmの波長毎のスポット径の像高変化

SMC PENTAX-A645 MACRO 1:4 120mmの幾何光学的MTF(7.5/15/30LPM)

SMC PENTAX-A645 MACRO 1:4 120mmの幾何光学的MTF(10/20/40LPM)

 

(110)HD PENTAX-D FA645 MACRO 90mmF2.8ED AW SRの特許データについて

HD PENTAX-D FA645 MACRO 90mmF2.8ED AW SRの特許データについて

 

HD PENTAX-D FA645 MACRO 90mmF2.8ED AW SRはPENTAX 645Dシリーズ用のマクロレンズの高性能レンズであり、EDガラス2枚と非球面レンズ1枚を使用した9群11枚構成のレンズである。本レンズの特許はペンタックスイメージングの小野崎龍之氏設計の特開2013-178365(出願2012年)の実施例4と推定される。

HD PENTAX-D FA645 MACRO 90mmF2.8ED AW SRのレンズ構成図(下:∞時、上:最短時)

 

HD PENTAX-D FA645 MACRO 90mmF2.8ED AW SRの収差図(縦)

HD PENTAX-D FA645 MACRO 90mmF2.8ED AW SRの収差図(横)

HD PENTAX-D FA645 MACRO 90mmF2.8ED AW SRの非点収差図

HD PENTAX-D FA645 MACRO 90mmF2.8ED AW SRのLateral Color(倍率色収差)

HD PENTAX-D FA645 MACRO 90mmF2.8ED AW SRの2nd.Spectra

HD PENTAX-D FA645 MACRO 90mmF2.8ED AW SRスポットダイヤグラム

HD PENTAX-D FA645 MACRO 90mmF2.8ED AW SRの波長毎のスポットダイヤグラム

HD PENTAX-D FA645 MACRO 90mmF2.8ED AW SRの波長毎スポット径の像高変化

HD PENTAX-D FA645 MACRO 90mmF2.8ED AW SRの幾何光学的MTF(7.5/15/30LPM)

HD PENTAX-D FA645 MACRO 90mmF2.8ED AW SRの幾何光学的MTF(10/20/40LPM)

 

(109)Canon Serenar 50mm F1.8 Iの特許について

Canon Serenar 50mm F1.8 Iの特許について

 

本レンズはキヤノンカメラ(株)がライカLマウントカメラを出していた時代の標準レンズの内の1本で、1951年(昭和26年)11月に発売されたレンズである。本レンズの特許は同社の当時の光学設計を多く担当してきた伊藤 宏氏の特許出願公告昭28-6685(出願1950年)である「ガウス型対物鏡玉の改良」と推定される。

 

Canon Serenar 50mm F1.8 Iのレンズ構成図

本レンズは第1レンズがメニスカス凸レンズ、第2レンズが両凸レンズと第3レンズが両凹レンズからなる貼り合わせレンズとなる負のパワーを有する第2群を形成している。絞りを介して、第4レンズの両凹レンズと第5レンズの両凸レンズからなる貼り合わせレンズとなる正のパワーを有する第3群を形成し、第6レンズは両凸レンズからなる4群6枚構成のレンズとなっている。再度パワー配置を書くと、+(+-)|(-+)+となっている。貼り合わせ部分を1枚のレンズとすると、+(-)|(+)+となっている。

Canon Serenar 50mm F1.8 Iの収差図(横)

Canon Serenar 50mm F1.8 Iの収差図(縦)

Canon Serenar 50mm F1.8 Iの非点収差図

Canon Serenar 50mm F1.8 Iの倍率色収差図(Lateral Color)

Canon Serenar 50mm F1.8 Iの波長によるピント面の違い

Canon Serenar 50mm F1.8 Iのスポットダイヤグラム

Canon Serenar 50mm F1.8 Iの波長毎のスポットダイヤグラム

Canon Serenar 50mm F1.8 Iの波長毎のスポット径の像高変化

Canon Serenar 50mm F1.8 Iの幾何光学的MTF(7.5/15/30LPM)

Canon Serenar 50mm F1.8 Iの幾何光学的MTF(10/20/40LPM)

 

(108)SMC PENTAX-DA 50mmF1.8の特許について

SMC PENTAX DA-50mmF1.8の特許について

 

本レンズは2012年発売のAPS-Cサイズ用中望遠レンズで2023年現在現行品のレンズである。本レンズは円形絞りを採用した中望遠レンズで、本レンズの特許は、リコーイメージングの加藤浩司氏設計の特開2014-26184(2012年出願)と推定される。本特許には実施例が7例記載されている。その中でカタログ記載のレンズ構成図に一番近い実施例は、絞りの位置と4群目のレンズの形状から実施例2と判断しましたので、今回この実施例2を本レンズデータとした結果を示します。

SMC Pentax-DA 50mm F1.8のレンズ構成図

本レンズは、第1レンズがメニスカス凸レンズ、第2レンズがメニスカス凸レンズ、第3レンズがメニスカス凹レンズからなり、ここまでが前群となり、絞りを介して、第4レンズのメニスカス凹レンズと第5レンズのメニスカス凸レンズが貼り合わせとなり、負のパワーを有する第4群を構成している。第6レンズはメニスカス凸レンズからなる5群6枚構成のガウス型中望遠レンズとなっている。ガラスは5種の高屈折率ガラスが使われている。

SMC PENTAX-DA 50mmF1.8の収差図(縦)

SMC PENTAX-DA 50mmF1.8の収差図(横)

SMC PENTAX-DA 50mmF1.8の非点収差図

SMC PENTAX-DA 50mmF1.8の倍率の色収差図(Lateral Color)

SMC PENTAX-DA 50mmF1.8の2nd. Spectra(波長毎のピント位置)

SMC PENTAX-DA 50mmF1.8のスポットダイヤグラム

SMC PENTAX-DA 50mmF1.8の波長毎のスポットダイヤグラム

SMC PENTAX-DA 50mmF1.8の波長毎のスポット径の像高による変化

SMC PENTAX-DA 50mmF1.8の幾何光学的MTF(7.5/15/30LPM)

SMC PENTAX-DA 50mmF1.8の幾何光学的MTF(10/20/40LPM)












(107) SMC PENTAX-FA★ 300mm F2.8 ED[IF]の特許データについて


SMC PENTAX-FA★ 300mm F2.8 ED[IF]の特許データについて

このレンズはFAシリーズの高級レンズシリーズの特徴的なデザインである銀鏡筒のスターレンズの内の1本である。本レンズは旭光学工業の丸山晃一氏設計の特開平6-138385(1992年出願)の実施例1と推定される。

SMC PENTAX-FA★ 300mm F2.8 ED[IF]のレンズ構成図

本レンズは4つのレンズ群と1つのフィルタ群で構成される7群10枚構成の大口径望遠レンズである。第1レンズ群は第1レンズとしてEDガラスを使用した両凸レンズ、第2レンズとしてEDガラスを使用したメニスカス凸レンズ、第3レンズとして両凹レンズの3枚から第1レンズ群が構成される。次に、第2レンズ群として、第4レンズのメニスカス凹レンズと第5レンズの平凸レンズから第4群の正のパワーを持つ貼り合わせレンズが構成され、ここまでが第2レンズ群である。ここまでがいわゆる前群を構成し、絞りを介して、第6レンズ以降が後群となる。後群の最初が第3レンズ群であり、第5群として第6レンズはメニスカス凸レンズ(像面側に凸)と第7レンズは両凹レンズからなる第5群の負のパワーを持つ貼り合わせレンズが第3レンズ群を形成し、このレンズが前後に移動してピント調整を行う機構であるいわゆるインナーフォーカス方式レンズとして動作する。

SMC PENTAX-FA★ 300mm F2.8 ED[IF]のIFの動き

第4レンズ群は、第8レンズが両凸レンズで第9レンズが両凹レンズからなり、第6群の正のパワーを持つ貼り合わせレンズを形成している。最後はフィルタボックスに取り付ける43mmのフィルタ群からなる。本レンズのパワー配置は、++-(-+)|(-+)(+-)0さらに貼り合わせ部分を書き換えると++-(+)|(-)(+)0となっている。本レンズはフィルタボックスにフィルタを入れた設計となっているため、レンズ構成枚数表記にはこのフィルタが含まれている。前面のフィルタ径は112mmである。望遠比は0.95である。

SMC PENTAX-FA★ 300mm F2.8 ED[IF]のレンズの収差図(縦)

 

SMC PENTAX-FA★ 300mm F2.8 ED[IF]のレンズの収差図(横)

SMC PENTAX-FA★ 300mm F2.8 ED[IF]のレンズの非点収差図

SMC PENTAX-FA★ 300mm F2.8 ED[IF]のレンズのLateral Color(倍率色収差

SMC PENTAX-FA★ 300mm F2.8 ED[IF]のレンズの2nd.Spectra(波長によるピント移動)

SMC PENTAX-FA★ 300mm F2.8 ED[IF]のレンズのスポットダイヤグラム(動画)

SMC PENTAX-FA★ 300mm F2.8 ED[IF]のレンズの波長毎のスポットダイヤグラム

SMC PENTAX-FA★ 300mm F2.8 ED[IF]のレンズの波長毎のスポット径の像高変化

SMC PENTAX-FA★ 300mm F2.8 ED[IF]のレンズの幾何光学的MTF(7.5/15/30LPM)

SMC PENTAX-FA★ 300mm F2.8 ED[IF]のレンズの幾何光学的MTF(10/20/40LPM)

(修正)特許の最短撮影距離が1.5m相当でしたので、実際の製品は2mであることから2mのデータ推定値に変更しました。