ペンタックスレンズ研究会

ペンタックスレンズ他光学特性データを示します。

(91)Canon New FD300mmF2.8Lの特許データについて

Canon New FD300mmF2.8Lの特許データについて

 

このレンズは前シリーズのFD300mmF2.8SSCのフルモデルチェンジとして新設計されたもので、1981年4月に発売された。本レンズの特許は、キヤノンの藤林和夫氏と北岸望氏設計の特開昭56-159613(特許は成立せず1980年出願)の実施例4であると推定される。実施例と実製品では、レンズ構成が違う。実は本特許の実施例では第1レンズの前に保護用ガラスフィルタがついていない設計となっている。実製品はそれが付いた状態で枚数と群数が明記されている。この特許には実施例が4例あるが、フローライトガラスを使っている実施例は実施例1と実施例4で、実施例2と3はフローライトではなくEDガラスでの実施例である。

Canon New FD300mmF2.8Lの特許データの記載レンズ構成図

また、実製品と同じ位置にフローライトガラスが使わているのは実施例4であることから実製品に近い設計はこの実施例4と判断しました。これに保護フィルタを取り付けた状態で計算を行いました。

Canon New FD300mmF2.8Lのレンズ構成図

本レンズは第1レンズは平面ガラスフィルタであり、これは第2レンズに使われているCaF2フローライトレンズの保護目的のものである。第2レンズはフローライト両凸レンズである。第3レンズは両凸レンズのEDガラスレンズである。第4レンズは凹レンズである。ここまでは前群となる。後群は、メニスカス凹レンズの第5レンズで、第6レンズがメニスカス凸レンズと第7レンズが凹レンズと貼り合わせとなり第6群を形成している。次が第8レンズは凹レンズと第9レンズは両凸レンズからなり、この2枚を貼り合わせて第7群を成している。ここまででカタログに記載の7群9枚構成の300mmF2.8となる。このレンズの望遠比は0.92である。上のレンズ構成図では更にフィルタボックスにフィルタを取り付けた状態の光路図を示しています。したがって、このフィルタボックスにフィルタを取り付けることを前提で計算しています。

Canon New FD300mmF2.8Lの収差図(縦)

Canon New FD300mmF2.8Lの収差図(横)

Canon New FD300mmF2.8Lの非点収差図

Canon New FD300mmF2.8LのLateral Color倍率色収差

Canon New FD300mmF2.8Lの2nd. Spectra

Canon New FD300mmF2.8LのSpotdiagram

Canon New FD300mmF2.8Lの波長毎Spotdiagram

Canon New FD300mmF2.8Lの波長毎の像高R.M.S. Spot径

Canon New FD300mmF2.8Lの幾何光学的MTF(7.5/15/30LPM)

Canon New FD300mmF2.8Lの幾何光学的MTF(10/20/40LPM)