Takumar 19mmF5試作レンズの特許について
試作で終わったTakumar 19mmF5を今回取り上げる。下の文面がこのレンズの資料である。この画角で似たようなレンズを見た記憶があり、3枚貼り合わせレンズが特徴で直ぐにピンときた。
実際の特許である旭光学工業(当時)の風巻友一氏設計のDE1294060B(1966)=US3539246=特公昭44-24397(1966年出願)である。この特許には6群12枚構成のレンズとして出されているが、この記事のレンズ構成図は7群11枚のように見えます。少々異なるが、視野角と明るさと特許申請時期を考えるとこのレンズに相当するのである。試作レンズなので、違う形式のものも検討した可能性は捨てきれない。特徴は3枚貼り合わせレンズをマスタレンズに3群もつかっていることである。
本レンズは、第1レンズから第3レンズが+--のパワー配置からなる前群(合成焦点距離:-11.52mm)からなり、第4レンズから第9レンズがマスタレンズであり、(-+-)(+-+)|(+-+)のパワー配置からなるマスタレンズ(合成焦点距離:+15.98mm)で、これらの貼り合わせレンズを3群からなっているが、いずれも各群は合成パワーは正のレンズとなっている。