ペンタックスレンズ研究会

ペンタックスレンズ他光学特性データを示します。

(7)Leitz XENON 50mm F1.5の設計値より

Xenon 1:1.5 f=5cmの特許について

 

Leitz社から1930年に発売され、1950年まで製造販売されたライカレンジファインダーカメラの標準レンズとして長年供給されてきたオールドレンズのXenon 1:1.5 f=5cm レンズを解析してみました。Xenon 1:1.5 f=5cm は、Taylor-Hobson British Patent 373950U.S.Patent 2019985 という刻印が入っています。このレンズの構成はイギリス・アメリカでは Taylor-Hobson 社の特許だったので、イギリス・アメリカへの輸出用です。設計はHorace William Leeである。

Xenon 50mmF1.5構成図

戦前の製品であり、旧ガラスだけで設計されている。パワー配置は+(+-)|(-+)++となっていて、第2群の2枚貼り合わせレンズは群として負のパワー、第3群の2枚貼り合わせレンズは群としては第2群と同様に負のパワーとなっている。いわゆる5群7枚の変形ガウス型となっている。

Xenon 1:1.5 f=5cmの収差図(縦)

左から順に球面収差・像面湾曲収差・歪曲収差図となります。球面収差は典型的な補正形状をしている。

Xenon 1:1.5 f=5cmの収差図(横)

Xenon 1:1.5 f=5cmの非点収差図

Xenon 1:1.5 f=5cmのLateral Color(倍率色収差

昔の設計はY2フィルタ前提で作っていたからかやはり短波長側をカットできることがわかる。

Xenon 50mmF1.5スポットグラム

スポットダイヤグラム。お世辞にもいいとはいえない。かなり周辺は甘いのがわかる。

Xenon 50mmF1.5の幾何光学的MTF(7.5/15/30LPM)

Xenon 50mmF1.5の幾何光学的MTF(10/20/40LPM)

ベスト幾何光学的MTF図になる。少し前にレンズを繰り出した位置(-0.136mm)で、MTFベスト状態になる。各残存収差が残っているので、像は全体に開放では眠い感じがして解像感がないレンズですが、階調や中間距離での像はこの収差図などからはわからない。
本結果はあくまで特許データを使ったものであり、実際の設計値ではないことをご理解いただけたら幸いです。参考程度にみてください。