SMC PENTAX67 1:4 200mmの特許データについて
ペンタックス67用200mmF4は、旭光学工業の河村憲明氏の特公昭61-4088(1981年出願)日本特許第1338138号である。本特許には実施例が4例あるが、いずれも200mmとしての設計になります。ここでは、実施例が4例あるがEDレンズが使われている実施例1と2は除かれる。実施例3はガラスが相当品がなく作れないので、残りの実施例4が製作可能なことから実施例4がこのレンズ相当の設計と判断しました。(修正2023.11.28)
第1レンズが正のメニスカス凸レンズ、第2レンズと第3レンズはメニスカス凹レンズとメニスカス凸レンズの2枚貼り合わせの正のパワーを持つレンズで第2群を形成している。第4レンズが凹レンズで、絞りを介してい第5レンズがメニスカス凹レンズである。パワー配置を記載すると+(-+)-|+の4群5枚構成でいわゆるエルノスタータイプのレンズ形式である。設計値はF4ではなくF4.1である。望遠比は0.9であり、それなりの大きさのレンズである。6x7判ではフランジバック長が長くなるので、望遠比がこのくらいになるのは仕方ない。
実写作例2を見ると色収差が目立ち、星像の周りにマゼンタ色のハロが見えるのがわかる。マゼンタの生成は青と赤を混ぜることにより生じるので、波長毎のスポットダイヤグラムを見てみるとこの両波長がスポット径が大きくなっていることと、像面側にこの2つの色共に他の色より後ろに焦点を結ぶことからも、実レンズがこの設計に近いことが実証できているように見えます。