smc PENTAX-M 1:3.5 150mmの特許について
ペンタックスのレンズは、スクリューマウント時代から他社にはない焦点距離のレンズが何本か存在していた。150mmの望遠レンズは(32)ですでにTAKUMARレンズバージョンは紹介しました。Mシリーズにおいてもこの150mmは存在していた。口径比がF4からF3.5になり、よりコンパクトになりました。
本レンズの特許は、(81)で紹介した特公昭55-9685(1976年出願)の実施例3であると推定される。設計は旭光学工業(当時)の杉山孝浩氏、窪田敏文氏、安達滝介氏である。
本レンズの構成は、パワー配置としては+-+|+-となっている5群5枚構成の望遠レンズである。望遠比=光学系全長/焦点距離=0.8とコンパクトである。実全長は75mmでフィルタ径は49mmとなっている。
色収差が大きいが紫と赤がほぼ同一のプロファイルとなっていて、緑付近は像高で倍率色収差が同一のプロファイルになっている。球面収差プロファイルは、色収差で焦点面が異なるが、類似のプロファイルとなっていて、像高75%でクロスする理想的な球面プロファイルを示している。
光軸上のスポットダイヤグラムを見ると、散乱が認められるが星のような点光源を撮影すると、おそらくマゼンタ色の滲みが出る像を示すものと予想される。
オールドレンズなので、先にMTFの本数が少ない方を先に示しておく。像高6mmくらいから像高が高くなるに従ってs方向とt方向が離れる特性を示している。