SMC PENTAX-M★67 800mmF6.7ED[IF]の特許について
1989年に発売された本レンズはペンタックス67用の超望遠レンズとして登場したM★レンズの1本で、ホワイトクリーム鏡筒の高級レンズである。本特許は特公昭59-88715(1982年出願)の実施例1であると推定される。設計は旭光学工業の松尾博文氏である。8群9枚構成の第2レンズと第4レンズにEDガラスを使用したものである。望遠比は0.8と一応この当たりのレンズで67用でバックフォーカス長が35mmより倍長い点を考えると優秀な値である。
球面収差は完全補正型で非常に良好な収差補正がなされている。
残念なのはこの非点収差が球面収差に比べて補正が悪い。また、色収差が長波長側が物点側に来るように補正している点が特徴で、2nd Spectraが今までの旭光学工業のレンズプロファイルと向きが全く逆になっていることがわかる。
このレンズは非常に色収差が少ないことがわかる。
さすがM★レンズで物凄く性能がいいレンズである。幾何光学的MTFは通常中判ではこんな本数で行わない。当サイトでは便宜上今のところ10本、20本、40本の幾何光学的MTFを示しておく。(今後フォーマット毎に見直すかも知れません。)