ペンタックスレンズ研究会

ペンタックスレンズ他光学特性データを示します。

(18)CARL ZEISS DISTAGON 1:1.4 35mm(Y/C)の特許データより

Carl Zeiss DISTAGON 35mmF1.4(Y/C)の特許について
1970年代初頭当時西ドイツ・カールツアイス社は日本メーカの提携先を検討していた。その先方として旭光学工業が相手先として提携話が上がっていた頃の設計のレンズであるが、これは提携話がヤシカに移り、ヤシカが設計したカールツアイスのCONTAX一眼レフ用に設計されたレンズである。当時のカールツアイス社の光学設計技術者としては、Erhard Glatzel 氏(1925年-2002年)が多くのレンズを手掛けていた。このD35/1.4の特許は日本国内にも特許出願されていて、特開昭49-113623(出願1974年)=特公昭57-23242(公開1974年)=日本特許1131443である。恐らく一番現物に近いものとして、実施例8と推定されるので、その結果を今回紹介します。

DISTAGON 35mmF1.4のレンズ構成図

DISTAGON 35mmF1.4のレンズ構成図

本レンズは当時としては画期的であるフローティング方式のピント調整機構がついていて、∞から最短撮影距離28cmまで収差を抑えて撮影できるような設計をされた大口径広角レンズであった。第3レンズと第4レンズの面間隔が変化しているのがわかるだろう。

DISTAGON 35mmF1.4のレンズ構成図

DISTAGON 35mmF1.4のレンズ構成図(無限大時と最短撮影距離GIFアニメーション

DISTAGON 35mmF1.4の球面収差・像面湾曲収差・歪曲収差図

DISTAGON 35mmF1.4の球面収差・像面湾曲収差・歪曲収差図

DISTAGON 35mmF1.4のスポットダイヤグラム図

DISTAGON 35mmF1.4のスポットダイヤグラム

DISTAGON 35mmF1.4のMTF図

DISTAGON 35mmF1.4の幾何光学的MTF

ピント位置は幾何光学的MTFが最大になる位置で示しています。これはほかの収差図とスポットダイヤグラムも同じです。
このレンズは昔CONTAX S2を使っていた時にほしかったのですが、高くて手が出なかった。そのため、作例は今回もありません。