Cosina Voigtländer Nokton50mmF1 Aspherical E-mountの特許データについて
本レンズは2024年3月にコシナ社から発売されるソニーEマウントに最適化された大口径標準レンズで、本レンズの特許は同社の荻野和博氏設計の特開2003-63766(出願2021年)の実施例1であると推定される。
Voigtländer Nokton50mmF1 Asphericalのレンズ構成は、第1レンズは高屈折率ガラスのメニスカス凸レンズで第1面が切削非球面レンズとなっている。第2レンズはメニスカス凸レンズの高屈折率ガラスが使われているレンズとなり、第3レンズはメニスカス凹レンズの高屈折率ガラスが使用されている。ここまでが前群で、絞りを介して、後群は、第4レンズの凹レンズと第5レンズの凸レンズが貼り合わされて第4群の負のパワーを持つレンズを構成し、第6レンズは両凸レンズ、第7レンズと第8レンズを張り合わせて第6群を構成する正のパワーを持つレンズを構成し、第9レンズは切削両面非球面の高屈折率ガラスのメニスカス凹レンズとなっている7群9枚構成の標準レンズである。
パワー配置を改めて示すと、++ー|(ー+)+(+ー)ーとなっているレンズで、標準レンズにありがちなダブルガウス型レンズではなく、非ダブルガウス型レンズである。第1レンズと第9レンズに切削式非球面レンズを使っているので、軸だしと非球面加工精度をどのくらいで管理しているかによって、実製品ではばらつきがどの程度のものが提供されているかいつも同社のレンズには興味がある。理由は曲率が大きな非球面レンズは加工精度がダイレクトに像へ影響するからである。