ペンタックスレンズ研究会

ペンタックスレンズ他光学特性データを示します。

(66)PENTAX 100ED-UF astronomical telescopeについて

PENTAX 100ED-UF astronomical telescopeについて

PENTAXは双眼鏡、スポッティングスコープは現行品であるが、かつては天体望遠鏡メーカーでもあった。1980年代になると天体写真用に写真特性と眼視特性を併せ持った天体望遠鏡が各メーカから投入された。旭光学工業からはフォトビジュアル鏡筒より写真特性を考慮したペンタックス67ボディが取り付けられる口径10cm焦点距離400mmのEDガラスを1枚使ったPENTAX100ED-UFが発売された。太くて短い鏡筒から通称”ツチノコ”と呼ばれたこの初代ツチノコを私は社会人1年目の2回目のボーナスで中古を買った。前オーナさんは著名人で、その方のものでした。今は友人のところに行っている。

さて、この鏡筒の光学系の設計は旭光学工業の峯藤延孝氏である。特許は特公昭62-96919(1985年出願)実施例1と推定される4群4枚構成10cmF4鏡筒である。パワー配置は、第1レンズから-+++となっている。第2レンズの正のメニスカス凸レンズがいわゆる特殊異常分散ガラスであるS-FPL51(オハラ製と仮定)が使われていると推定される。このレンズは前群が第1レンズと第2レンズで構成され、その合成焦点距離が約591mmの2群2枚構成の対物レンズを成し、後群を第3レンズと第4レンズで構成するいわゆるレデューサレンズから構成されている4群4枚レンズとなっている。天体望遠鏡ではあるが、望遠比=1.08であり、写真レンズの設計ではないことがわかる。

PENTAX100ED-UFのレンズ構成図

PENTAX100ED-UFのレンズ構成図

PENTAX100ED-UFの収差図

PENTAX100ED-UFの球面収差・像面湾曲収差・歪曲収差図

PENTAX100ED-UFの収差図(横)

PENTAX100ED-UFの収差図(横)

PENTAX100ED-UFのLateral Color 倍率色収差図

PENTAX100ED-UFのLateral Color 倍率色収差

PENTAX100ED-UFの2nd. Spectra

PENTAX100ED-UFの2nd. Spectra(波長による焦点移動)





PENTAX100ED-UFのスポットダイヤグラム

PENTAX100ED-UFのスポットダイヤグラム

PENTAX100ED-UFのスポットダイヤグラム(波長毎)

PENTAX100ED-UFのスポットダイヤグラム(波長毎)

PENTAX100ED-UFのMTF

PENTAX100ED-UFの幾何光学的MTF(10/20/40LPM高性能時)

この望遠鏡はご覧のように紫色の色収差が目立ったため、写真特性はいまいちの評判であった。このため、私は色補正フィルタW4を取り付けて420nmあたりまでの光線を低下させて使っていた。
最初のツチノコはアルミケースはよくできていて、8X30専用ファインダが一緒に収まるようになっていた。鏡筒バンドはペンタックスのものは脚を上げたもので独特な形状であったため、みんな高橋10cmのものが使えたのでは、私もそれを使った。カメラマウントは専用品の67マウントとKマウントを購入した。

所有したPENTAX 100ED-UF鏡筒

所有したPENTAX 100ED-UF鏡筒

作例1 PENTAX67 Konicacolor3200 Exp.15min.

ご覧のように星像の周りに青ハロが目立ち、周辺減光が目立つと思う。