Canon Camera CANON 50mm F2.8 Iの特許データについて
本レンズはキヤノンがライカLマウントのカメラ用標準レンズとして設計した3群4枚構成のいわゆるテッサー型のレンズである。設計は当時の同社のレンズを多く手掛けた向井二郎氏である。特許は特許出願公告昭34-5385(出願1955年11月12日)と推定される。発売が1955年1月で当時の価格が16000円であった。ということは発売されてから特許を出している。
このテッサー型ではあるが、従来の設計とは異なる点はガラスである。新種ガラスをつかったことで従来はF3.5程度であったものをF2.8のものが設計でき、色収差、球面収差、歪曲収差などの各収差を従来品品より改良できたというものである。
第1レンズはメニスカス凸レンズでこのガラスが新種ガラスである。第2レンズの両凹レンズからなり、テッサー型ではこのレンズが各種収差補正に影響が一番大きいものである。絞りを介して、第3群は第3レンズの物点側が平面の平凹レンズと第4レンズの新種ガラスの両凸レンズが貼り合わせて構成されて、3群4枚構成となっている。ライカマウントであることから焦点距離は51.6mmにしている。